生徒に教えていた私が、また生徒になりました。
還暦を過ぎて、ゼロから文章の書き方を学び直す。あれほどたくさん書いてきたのに、また書き直す。我ながら、なかなかおもしろい展開だと思っています。
実は大きな理由があるんです。
35年間、私はずっと「内側」に向けて発信してきました。
保護者への案内、生徒へのお便り、スタッフへの連絡。
伝える相手は常に、塾という自分がよく知っている、いわば身内のような小さな世界の中にいる人たちでした。 顔が見える。背景がわかる。だから多少説明が足りなくても伝わる。
でも、ある時ふと思ったんです。 「外の世界に向けて、書いてみたい。」
自分の中に蓄積された35年分の経験や言葉がある。
一度、それを外の世界に発信してみたい。純粋にそう思いました。
ところが、やってみてすぐわかりました。 内と外では、書き方がまるで違う。
外の世界は、読む人が誰かわからない。共通の文脈がない。
一から言葉を積み上げないと伝わらない。これは書きすぎているなぁなど゛いろいろと。
あれっ、文章ってこんなに難しかった? あんなに書いてきたはずなのに。
「これは勉強しないといけない。」「伝え方を考えないといけない。」と思いました。 まさか、この歳になって、また一から学ぶことになるとは思っていませんでしたが、不思議と苦ではなかったです。むしろ、おもしろかったんです。まだまだ勉強しないと。
生徒たちが新しいことを学ぶ時の顔を、長年見てきました。
その顔が、自分にも出ていたのかもしれませんね。
昨年の8月から活動を始めて、46件の契約をいただきました。
驚くほどの不採用の嵐も経験しました。
でもその度に、子どもたちに言ってきた言葉が頭に浮かぶんです。
「苦しい時こそ、がんばるんやで」と。自分で言っていながら、自分に効きました。
それが、塾の先生がライターになった理由です。
35年間、内側で磨いてきた言葉を、これからも外の世界に届け続けていきます。

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