やっぱり子どもたちが私の先生です!! ~小4の一言に震えた日~

思考の披露宴

「なんで、みんなは勉強するん?」 ある日、私は子どもたちにそう聞いてみました。

 中学生も高校生もいる中で、最初に手を挙げたのは小学4年生の女の子でした。

 「だって、先生、将来、私の学力不足や何か足らないもので、自分のやりたい仕事ができなかったらいややもん。だから、今、がんばるねん。」

 教室が、静まり返りました。
中学生も、高校生も、黙って彼女の言葉を聞いていました。
私も同じでした。入社1年目の私には衝撃でした。

あんなに抽象的な質問なのに、いかにも理路整然と答える小学生。
小4の女の子が言った言葉とは、とても思えなかったんです。お話好きな、何でもない、普通の子です。

 「将来の自分を守るために、今動く。」 これは、勉強だけの話じゃない。
そう気づいた瞬間でした。

 35年間、教える立場でいた私が、その日は完全に教わる側になっていました。
いや、今もそうかもわかりません。

子どもたちの言葉には、時々こういう瞬間があります。
理屈ではなく、本質をついてくる。だから、この仕事はやめられないんです。

 あれから時間が経って、私は50代でライターになる決意をしました。
きっかけは色々ありますが、根っこにあったのは、あの女の子と同じ気持ちだったと思っています。

「表現不足」「経験不足」を補わないまま年齢を重ねたら、いつか後悔する。
だから、今動く。不採用の嵐も経験しました。思うように書けない日もありました。

でもその度に、あの教室の光景が頭に浮かんできました。
中学生も高校生も黙って聞いていた、あの静けさ。

あの時、私に一番大切なことを教えてくれたのは、小学4年生の女の子でした。
35年間、子どもたちに教わり続けてきました。
まちがいなく、これからも、そうなると思っています。

今も私は、あの子の言葉を胸に秘めて、前進しています。

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