「どうして伝わらないんだろう」と感じることがあります。
でも、相手の理解力だけの問題ではないのかもしれない。
こちらの言葉が、まだ相手に届く形になっていないだけかもしれない。
そう思うようになったのは、塾の現場での経験からです。
同じ説明でも、伝わり方はちがいます
塾で長年子どもたちと向き合ってきて、気づいたことがあります。
同じ説明をしても、すっと理解できる子と、首をかしげる子がいます。
最初は「この子はなぜわからないのだろう」と思っていました。
でも違いました。結論から先に伝えた方がわかりやすい子もいれば、過程をひとつひとつ解きほぐすように伝えた方がよい子もいます。
大事なのは、説明の正しさだけではなかったのです。
保護者との会話でも、同じでした
正論をそのまま伝えるだけでは、相手が受け取れないことがあります。
不安や焦りを抱えている保護者に、データだけを並べても届きません。
ご家庭の環境や状況によっても、受け取り方はまるで違います。
言葉の順番、温度、伝えるタイミング。
そういうものが揃ってはじめて、言葉が相手の中に入っていきます。
上から目線で伝えるのではなく、寄り添うように。
時には先生として、時にはアドバイザーとして。
その使い分けを、36年間ずっと意識してきました。
文章を書く仕事にも、つながっています
ライターの仕事でも、まったく同じことを感じます。
読者は、こちらが書きたいことを読むのではなく、自分に必要な言葉を探しています。
だから、まず読者の状況を想像します。
今どんな気持ちでいるんだろう。
何を知りたくてこの記事を開いたんだろう。
決して、自己満足になってはいけない。それが、私が文章を書くときの出発点です。
私が意識していること
難しい言葉より、届く言葉。
整った文章より、読者が一歩動ける文章。
その人の中に残る言葉を探したい。それだけを考えながら、今日も書いています。
伝わらないとき、言葉をもう一度見直す
伝わらないとき、相手を責める前に、言葉をもう一度見直す。
それは塾でも、ライターでも、変わらない姿勢です。
36年かけて身についたこの習慣が、これからも私の仕事の土台であり続けると思っています。
温度のある言葉で、届く言葉を探しながら、これからも書き続けていきます。

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