あれっ、だれかと話してるみたい。そんな文章を書いています!!

思考の披露宴

文章を読んでいるはずなのに、誰かと話しているような気がする瞬間があります。
そういう文章に出会ったとき、思わず読み返してしまいます。
好きなんです。

うまい文章だからではありません。
どこか温かくて、自分に話しかけられているような気がするから。
私が意識しているのは、そういう文章です。


うまい文章と、温かい文章は違います

正確で読みやすい文章が、必ずしも伝わるとは思いません。
どこか冷たい印象を受けます。言葉は整っているのに、読んでいて距離を感じる。

反対に、多少荒削りでも、ぐっと引き込まれる文章があります。
その差はどこにあるのか、長年考えてきました。それが「温度」だと思っています。

 「ん」の魔法

塾で長年、保護者に文章をお届けしてきました。そこでいつも心がけています。
例えば、振替授業を希望されたときの返事に
「この日は空きがないです」 とは言わずに、「この日は空きがないんです」と。

 たった一文字、「ん」があるかないかで、受け取る側の印象が変わりませんか。
「ないです」は事実の報告です。
「ないんです」は、申し訳ない気持ちや、一緒に困っているという温度がにじみ出ます。

文章は怖いです。一文字で冷たくもなるし、温かくもなる。

 だから私は保護者へのお便りや連絡を書くとき、声に出して読み返すようにしてきました。
「これ、冷たく聞こえないかな」と確かめながら。

 誰か一人に、話しかけるように書く

ライターの仕事でも同じです。
書くとき、私は誰かの顔を思い浮かべながら書きます。

この記事を読むのはどんな人だろう。今どんな気持ちでいるだろう。
その人に話しかけるように言葉を選んでいきます。

難しすぎないかな。美辞麗句だけで終わっていないかな。でも、目の前の一人に届けばいい。
そう思って書いていると、文章が少しだけ温かくなる気がしています。

もちろん、フォーマルな文章とコラムでは使い分けますよ。

「あれっ、誰かと話してるみたい」

そう思ってもらえる文章が書けたとき、この仕事をやっていて良かったと感じます。
35年間、子どもたちや保護者と言葉を交わしてきました。

ライターになって約1年、今度は文章で誰かに話しかけています。
形は変わっても、やりたいことは同じです。

温度のある言葉で、目の前の人に届けたい。それだけです。
やはり、言葉を通して誠心誠意伝えたいですから。

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