世間のお父さんに、ちょっと聞いてみたいことがあります。
家の中で起きるいろいろなできごと。
ちょっと問題が起きたら、なぜか、お父さんのせいになっていませんか?
うちの家内は、よくこんなことを言います。
「パパ、暑いわ」……それは知らんがな。(私が今日の気温を決めているわけではありません。)
「パパ、道混んでるやん」……それも知らんがな。(私に言われても困ります。道路を管理しているわけでも、前の車を動かす力があるわけでもありません。)
「パパ、このふた固いわ」……これは、まあわかります。男の出番です。誇らしげに開けます。
「パパ、テレビおもろないわ」……それは知らんがな。(テレビ局に言ってください。私には番組を変更する権限もありません。)
そして極めつけが、
「パパ、もうタンスの角で足打ったやん」……知らんがな。(タンスに言ってください。邪魔やでと。)
もちろん、私は口には出しません。そんなことを言えば、その後どうなるのか。
60年も生きていれば、それくらいの危機管理能力は身についています。
なぜか家庭内の総合窓口になるお父さん
不思議なんです。
暑い。寒い。道が混んでいる。ふたが開かない。テレビがおもしろくない。タンスの角で足を打った。
こうして並べてみると、私に解決できるものがほとんどありません。
それでも、とりあえず「パパ」。私はいつから、家庭内のトラブル総合窓口になったのでしょうか。
世間のお父さんはどうですか?
「いやいや、そんなこと言われないよ」という幸せなお父さんもいるかもしれません。
そんなお父さんがうらやましいです。
悲しいことに、娘まで似てきました
ところが最近、さらに困ったことが起きています。
娘です。家内だけなら、まだよかったんです。
長年一緒に暮らしていますから、こちらもそれなりに対処法を覚えています。
しかし、娘まで家内に似てきました。顔も性格も態度も。おまけに干支までも。
先日、私がちょっと飲み物をこぼしました。
すると娘が、「も〜、ちゃんと拭いた?」
いやそれは、拭きますよ。拭きますけど。心の中で反抗しました。
その言い方。完全に子どもを注意するお母さんです。
私は思わず自分の年齢を確認したくなりました。もう60です。
60歳の父親が、娘から「ちゃんと拭いた?」と注意されています。
いつの間に立場が逆転したのでしょう。
子どもは、本当によく親を見ている
でも、そんな娘を見ていると、ちょっとおもしろいことにも気づきます。
やっぱり子どもは、親の姿をよく見ているんですね。
「こういう大人になりなさい」「人にはこう接しなさい」
そんなことを何度言うより、毎日の生活の中で見ている母親の姿のほうが、ずっと強いのかもしれません。娘に「お父さんにはこう言いなさい」と家内が教えたわけではないでしょう。
たぶん。おそらく。そう信じたい。
でも、長い間そばで見ているうちに、話し方やちょっとした言い回しまで似てくる。
これこそ、最強の無言の教育なのかもしれません。
塾で子どもたちを長く見てきましたが、教育というのは「子どもに何を言うか」だけではないんですね。
大人が普段どんな姿を見せているか。
子どもは、こちらが思っている以上にちゃんと見ています。
そう考えると、親として自分の姿にも気をつけなければいけません。
まあ、私の知らないところで家内と娘が、「パパってさあ……」と、私の悪口を言いながら盛り上がっている可能性もありますが。
まだ、パパが話題に出るだけましかなと思って、自分に言い聞かせています。
コメント